先日、ドイツ語の勉強も兼ねて、ドイツ版シンデレラを観てみました。
Drei Haselnüsse für Aschenbrödel
英訳:Three Wishes for Cinderella
1973年製作の映画ですが、ドイツ人の友人曰く、クリスマスや年始に家族で観る
定番の映画だそうです。
特にオープニングに流れるテーマ曲が有名らしく、メロディを聴くだけで
シンデレラだ!とわかるそうです。
Drei Haselnüsse für Aschenbrödel (1973) BLU-RAY TRAILER [HD] - YouTube
ディスニー版のシンデレラのストーリーが世界的には有名ですが、
やっぱりドイツ生まれのグリム童話をドイツ語でも観るという経験ができて、
良かったです。
ドイツ語の表現自体もそこまで難解ではないですし、ストーリーを知っているので
逐一調べなくても想像できる部分も多いかと思います。
個人的にディスニー版と比較してツッコミたいところと感想を少しだけ。
(以下、ネタバレを含みます)
◆ディスニー版との違い
・舞踏会で落とした靴はガラス製ではない
魔女は出てこないし、かぼちゃの馬車もないので、行きも帰りも自ら馬に乗って。
シンデレラはハシバミの実(Haselnüsse)を使って、3回願い事を叶えてもらうこと
になります。
※ハシバミはギリシャ神話で知恵の神ヘルメスが持つ枝の木であり、知恵の象徴です。
・継母の嫌がらせの定番は、豆
今でも缶詰などで売られている、エンドウ豆(Erbsen)やレンズ豆(Linsen)です。
豆を選り分ける作業をさせるシーンが何度か出てきますが、きっと昔から地味に
面倒な作業なんでしょうね。
(私も生豆から買ったことはありません)
・靴を履くのを頑なに拒否する義姉
王子は拾った靴の持ち主を探しますが、ダンスをした相手はなかなか見つからない。
継母は義姉に顔を隠させて、王子に探している人だと差出します。
王子は本人かどうか確かめるため、靴を履いてみるよう迫りますが、継母は確認する
必要などないと断ります。
なおもしつこく迫る王子から馬車で逃れようとして、継母と義姉は凍った川に落ちて
しまいます。王子が追いかけて助けようとしますが、シンデレラでないとわかると
怒って突き放してしまいます。
◆個人的な感想
・シンデレラが意外と気が強いけど、優しいところもある
乗馬やクロスボウも上手くて、王子たちの前で怯まない度胸もありながらも、
誤って食器を割ってしまった召使いが継母に叱られないよう、庇ってあげる思いやり
もあります。
ただ虐められて可哀そうな弱い女性像ではなく、クールで芯の強さが強調されている
気がします。
・使用人の衣装や農場の舞台セットが素朴で、現実味がある
シンデレラもくすんだ色の女中の服を着させられています。
シンデレラや継母たちが住んでいた農場の撮影は、チェコのシュヴィホフ城、
舞踏会の撮影はドレスデンのモーリッツブルグ城(Schloss Moritzburg)で
行われたようです。
モーリッツブルグ城の撮影スポットは、今ではプロポーズに人気の場所だとか。
Cinderella | Barockschloss Moritzburg (schloss-moritzburg.de)
・乗馬シーンは本格的
ドレス姿の時は跨らずにちゃんと横乗り。
猟師に変装した時の乗馬シーンの方が、シンデレラの男勝りな感じが出てて好きです。
障害物も軽々跳び越えてて、かっこいいです。
・雪の積もった森でのシーン
雪の深さが尋常でない。まさにヨーロッパの雪山。
制作はチェコと西ドイツということで、ボヘミアの森で撮影されたようです。
ヨーロッパの冬を実経験してみると、美しいとかきれいとか感じる以上に相当
寒そうだなという印象。
・エンディングのシーン
王子とシンデレラがそれぞれ純白の衣装で白馬に乗って、
白銀の雪原を駆け抜けるという、真っ白な王道ハッピーエンド。
水平線に消えていく二人ももちろんですが、豊かな自然と雪景色もきれいです。
クリスマスに向けて、良かったら一度観てみてください♪
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