お題「人生を変えたと言える映画や本ってありますか? あればそのエピソード等教えてください」
渡独してから、日本に残してきた本の一冊がまた読みたくなりました。
米国での日常生活のささいな出来事や感じたことがとりとめもなく綴られていて、
海外生活に憧れがあった当時の自分には、とても新鮮に感じられたエッセイでした。
私にとっては、外国語を学ぶことに興味を持たせてくれた一冊です。
手に取ったときは、恥ずかしながら外国語の学習方法が書いてあると思って
いました(笑)
勉強のノウハウやテストの点数よりも大事なことは、外国語(本書では英語)を
学ぶ姿勢、現地の生活の中での心構えだよ、と教えてもらったような気がします。
語学学校でよく聞かれること
語学学校のクラスで、知り合ったばかりのクラスメイトと必ず出てくる話題が、
「何のためにドイツ語を学んでいるのか」ということ。
よくある答えとしては、
・ビザ申請のため(B1まで修了していることが必要)
・仕事で必要だから(ビザは取得済み or 問題ないけど、業務上必要になった)
・恋人またはパートナーがドイツ人(将来的には配偶者ビザも取りたい)
同じ学校で知り合った日本人グループに方々の中には、
子供の学校(幼稚園など)以外に出かける機会がないので、
とりあえず大人と交流できる場所に行きたい
と、ただコミュニティを求めて来られている方もいます。
私の場合はいくつか理由はありますが、そのうちの2つは
「(ビザに関係なく)生活に必要なドイツ語を習得する」ため
「次のキャリアにつなげる視野を拡げる」ため
そう答えると、
「そのためにわざわざお金を払ってまで学校に行く必要あるの?」
と言われることもしばしば。
確かに、Youtubeやドイツ語のウェブサイトでいくらでも自習できる学習材料が
たくさんあります。
やる気があって、効率的な学習方法を知っていれば、正直それで足りると思います。
それでも何故学校に通うのか?
・スピーキングは外国語上達の近道だと思うので、少しでも会話する機会を
多く持ちたい
⇒学校なら、正確なドイツ語に矯正してくれる先生がついてくれる。
タンデムパートナーを見つけるという方法もありますが、相手の相性や語学レベルに
よって左右されるので、安定して続けるまでが難しいかと。
ベルリン出身の学生さんと一時期タンデムパートナーでしたが、方言(?)のような
ものがあって、初心者の私には少し聞き取りが難しかったです。
・たくさんの人と触れ合うことで視野を広げたい
⇒様々な国籍の生徒が集まるので、休み時間はそれぞれの母国の話で盛り上がる。
日本のことについても外国語で話す機会もあるので、あらためて勉強になります。
日本に住んでいる間には出来ない貴重な経験だと思います。
・孤独な勉強はモチベーションの維持が難しい
⇒これ、一番大事です(笑)
具体的な目標設定(●月までにゲーテの試験を受ける等)も大切ですが、
スピーキングやリスニングって、数値で測るのが難しいですね。
デュッセルドルフはNRW州の州都で移民の受け入れも多い都市でもあるので、
カタコトなドイツ語で道端で話しかけても、たいていは真摯に耳を傾けてくれます。
ドイツの生活に馴染んで、ドイツ人のコミュニティに入っていくには、
やはり英語よりドイツ語が話せた方が有利だと日々感じます。
Vodafoneの店頭で携帯電話の契約手続きをするときに、
最初英語で話しかけたら塩対応だったのに、ドイツ語に切り替えたら顔色が
変わって対応が良くなった、ということもありました。
(あくまで個人的な経験です)
語学学習は本当に終わりがないので、物好きで延々と趣味として続けるのか、
ある程度の目標を定めて集中して取り組むかは、人それぞれですね。
「やがて哀しき外国語」は、村上春樹氏が1991年初頭から2年半にわたって
ニュージャージー州プリンストンに滞在された時のことなので、もう大分昔のこと。
海外に住むことって、想像するよりも日常的で、ほんとうにとりとめもない
ことばかり。
キラキラしているのはSNSだけとは言わないけれど、日常生活はいたって普通で
特別なことはあまりない。
むしろ外国語で役所手続きしたり、税金の計算したり、煩雑なこともたくさん。
そんな淡々と過ごしていく時間は、今も昔も変わらないのではないでしょうか。
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